布団乾燥機問題

2026/6/29

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台風の過ぎ去った日曜日、料理家の長谷川あかりさんの取材。お話がめちゃくちゃおもしろく、なんて魅力的な方なんだろうと、大好きになってしまう。料理という窓からこんなふうに社会全体を見渡しているなんて、と何度も唸ってしまった。必ずいい記事にしたい。

                               

取材が夕方だったので、夜ご飯を食べたくて、でも一人は味気ないなと思って加藤さんに連絡。真鶴に会いにいけなかったので、顔も見たかった。

ギャラリーを閉めた後、近所の居酒屋さんへ。茄子の煮浸し、豚肉のあたりめ、里芋の唐揚げ、うずらの煮卵。何食べても美味しくて嬉しい。

                             

加藤さんの下北沢バーテン時代の話は何度聞いても楽しくて、笑いっぱなし。そうそう、下北沢といえば、最近「下北沢タイムリープ」の話をうっかりYouTubeで見てしまい、なんだかリアルさが怖くてずっと考えてしまうのだと話したら、加藤さんも当時“もやの日”に必ずやってくる、うさぎちゃんという不思議な女性がいたという話をし出して、ものすごく怖くなってしまった。怪談話というか、あれはなんだったんだろう、みたいな、さりげなさすぎる奇妙話の方が後からじわじわ怖くなるし、ずっと記憶に残ってしまうからいやだ。

                                  

家に帰って湿気がすごいので、最近買ったばかりの布団乾燥機をかける。この布団乾燥機、おしゃれな筒形をしていて、軽さとコンパクトさが売りのものなのだが、Instagramの宣伝からうっかり飛んで、さらには誰もがなんとなく信頼をおく「北欧暮らしの道具店」にも掲載されている安心感から、ポチってしまったもの。2万5000円もした。

 あとからきょうちゃんにその話をしたら、「そもそも一人暮らしで布団乾燥機持ってる人っていなくない?」と言われて驚いた。我が家では、家電の中でも布団乾燥機のプライオリティーは割と上位で(多分掃除機に並ぶくらい)、わたしは初めて家を出る時も母に布団乾燥機を持たされた(それにガムテープを巻き付けながらずっと使っていたのだ)。だから「ええ!みんな持ってないの?」と驚いた。家庭内の「普通」の奇妙さってこういうところにあるよな。だけど、そうしたら、だんだん2万5000円の買い物に後悔の念が湧いてきてしまって、今もまだちょっと落ち込んでいる。

                   

というのも、きょうちゃんとの間で、最近なんとなく「ちゃんといいものを持とう」ムーブが起こっていて、彼女といえば、今までなんとなく着ていた下着を全部捨てて、伊勢丹で素敵な“いい下着”を買ったという。わたしはそれに「おお!」と盛り上がり、その感覚にのまれて“いい布団乾燥機”を買ってしまったというのもある。でもやっぱり“それじゃなかった”感がすごい。わたしもそういう、ダイレクトに自分から滲み出そうなところにお金を使いたかった。だって「この人、いい布団乾燥機使ってそうだな…素敵だな」なんて、多分誰も思わないもんな。

                          

今、タイムリープできるならあの日に戻って、布団乾燥機買うの、もうちょっと考えよ?って言いたい。